マックス・プランクが量子論の産みの親ならばニールス・ボーアはその育ての親とよく称される。

デンマークに生まれた理論物理学者で、量子論初期の指導的立場にあり、量子力学の確立に多大な貢献をした。 「ボーアの原子模型」として中高の科学物理の時間に登場する、あのボーアである。

コペンハーゲン大学卒業後、1911年イギリスへ留学したボーアは、マンチェスター大学のアーネスト・ラザフォードの下で研究を続け、 再び、母校に戻った後、プランクの量子仮説をラザフォードの原子模型に適用する形で「ボーアの原子模型」をうちたてた。

ボーアの原子模型の特徴は、プランクのいうエネルギーの量子的不連続が、原子の内部にも存在することを発見したことにある。


ニールス・ボーアの業績の中で最大といえるものは、1927年に発表された「相補性原理」だ。 「粒子性」「波動性」といった二重性は、人間の認識能力の限界によってさけることのできないものであり、 むしろそれぞれの概念による記述を互いに相補う形でもちいることによって、はじめて全容が明らかにされる、という主張だ。

このほとんど哲学的で難解な根拠付けは、多くの物理学者、とりわけ量子力学以前の、古典物理学陣営からのするどい批判にさらされた。 その代表者がアインシュタインである。この二大大家による論争は1927年〜1935年にまで続く。
しかし、実際の量子力学は、その間に20代30代の研究者によって、多くの重要な応用が見出され、正当な理論として位置付けられた。


ボーアの業績はそれだけでなく、1921・22年に発表された「元素の周期律の理論」や、1930年以降には核反応に関心を移し、 関連理論を次々に発表。1939年に発表された原子核の分裂予想は、後の原子爆弾開発の理論的な根拠となった。
彼自身は軍用に反対であり、チャーチル、ルーズベルトと会談をもつなど説得に努めたがかなわなかった。


アリストテレス
目的論的秩序の世界 
アルキメデス
我地球を動かさん 
ケプラー
物理を支える惑星運動 
ガリレオ
機械論的世界の幕開け 
ニュートン
プリンキピアの奇跡 
マクスウェル
光を形成する電磁波 
ラザフォード
核物理学の良き指導者 
アインシュタイン
時空を歪ませた相対論 
ボーア
確率論的に存在する世界 
シュレーディンガー
猫と量子力学のパラドックス 
ショックレー
電子機械の立役者 
湯川秀樹
日本人初のノーベル賞 
管理人:yoz PROFILE