アインシュタインは、光量子仮説による光電効果でノーベル物理学賞を受賞したドイツ出身の理論物理学者。 一般には、相対性理論の産みの親として知られている。

多くの天才がその偉大な能力のせいか、数々の不幸にあい辛酸をなめるという例にもれず、アインシュタインもその実人生は決して順風満帆ではなかった。 1879年に生まれた彼は幼時あまり言葉を話さず、言語障害をもっていた。 1900年にチューリッヒ連邦工科大学を卒業するも、物理学部長との不仲から助手になれず大学に残れなかった。

しかし、天才はその5年後「奇跡の年」として知られる1905年に才能を一気に開花させる。 25歳の特許局局員が、「光量子仮説」「ブラウン運動理論」「特殊相対性理論」についての極めて重要な論文5つを1年間のうちに相次いで発表したのである。


特殊相対性理論は2つの仮定をもとに出発する。

■相対性原理:物理法則はどのような慣性系においても常に成り立つ。
■光速普遍の原理:真空中にある光速度はどうのような慣性系から見ても一定である。


この仮定の帰結として、それまで絶対不変とされていた空間や時間が、観察する慣性系によって異なり、変化する相対的なものとされた。

そしてさらに1907年にはこの特殊相対性理論から

E=mc^2 

という、速度による運動エネルギーの増加は、質量の増加に光速の2乗を掛け合わせたものに等しくなる有名な式を導いた。

特殊相対性理論は、重力のくわわりや、加速状態を除いた、限定的で特殊な条件での時空に関する法則だが、アインシュタインは、 慣性力と重力を結びつけるというアイデアによって、重力、加速状態を考慮した時空に関する法則「一般相対性理論」を1915〜16年に発表する。

質量が時空間を歪ませることによって、重力が生じると考える「一般相対性理論」により、 アインシュタインは、光が曲折すること、時間の遅れ、などいくつかの予想をたてた。

またノーベル賞の受賞理由ともなった「光量子仮説による光電効果」の理論的説明など、量子論の確立に貢献したアインシュタインだったが、 確率論的に存在する量子を主張する量子力学については「神はサイコロ遊びをされない」という有名なセリフと共に否定的な立場をとった。

通俗には、宗教的なものと正反対とされる自然科学の大天才が、神の名を口に出してある理論について懐疑的であるということは意外に感じる話かもしれない。 が、それをアインシュタインの限界とみることは正しくない。


ニュートンもまた自然は神の言葉、そして数学こそが自然界の現象から神の意志を理解する唯一の方法だと信じていた。 自然科学、物理学の特に壮大なテーマを研究する場合、創造主という存在、その計り知れない存在に沿おう、 理解しようという情熱が、偉大な発見を呼ぶのである。


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